2011年10月15日土曜日

看護師のススメ 第21話 「せん妄」のお話

仕事から帰ってきて、晩ご飯を食べお風呂に入ったらもうこんな時間です。

本日学習したこと
<脳の機能、せん妄>

せん妄・・・
実は今日受け持たせていただいた患者様もせん妄でした。

ICUではよく見かけるせん妄(不穏って言ったりもします)
一般にせん妄が発症する確率は約10~30%、ICUでのせん妄はそれ以上の発症率だと言われています。
そう考えると珍しいことではないですよね。
ICUでのせん妄は「ICU症候群」「スパゲッティ症候群(管が沢山つながれている様から)」なんて呼ばれたりもします。
あの芸能人の中〇あきらさんもICUに入院した際、せん妄になったとご自身がテレビで語られていました。

よくある症例ですが、対応が非常に難しいのがこのせん妄です。

せん妄の発生要因としては
①直接要因・・・脳疾患、心不全、呼吸不全、低酸素血症、電解質異常、薬物、アルコール など
②準備要因・・・60歳以上、脳血管疾患慢性期・認知症、抑うつ、不安性格 など
③促進因子・・・精神的・社会的ストレス、睡眠障害、体動抑制、疼痛 など
があります。

せん妄の患者様を看護するポイントとしては(持論ですのでご参考程度に・・・)
①せん妄を発症させない。
②せん妄発症時には患者、スタッフの安全を確保する。
③せん妄状態を早く改善させる。
④家族への配慮。
⑤活動減少型せん妄や鎮静による廃用性症候群の予防。
などが挙げられると思います。

先に述べた発生因子からリスクをアセスメントし、発生因子(特に促進因子)を除外し、せん妄を発症させないこと。発症した場合にはせん妄を悪化させている因子をアセスメントしそれを除外、せん妄を早期に改善させることが重要だと考えます。
海外の調査ではせん妄を発症した場合、せん妄でない患者に比べ死亡率が3倍以上となり、入院費も高額になると報告されています。
このことからもいかにせん妄を発症させず、早期に改善することが重要かがわかると思います。

また発症したせん妄が「活動過剰型せん妄」であった場合、ベッドから自分で降りようとして転落したり、ラインや挿管チューブを自己抜去してしまったり、暴力的になったりすることがあります。
この場合には患者様の安全のために、医師に相談し鎮静を考慮したり、転落や自己抜去を予防するために環境を整えたり、時には暴力から自分そして周りのスタッフを守るための対策も大切だと思います。
逆に「活動減少型せん妄」は見逃されやすく、そのまま廃用性症候群に移行する可能性もあります。過度な鎮静も避けたいものです。

せん妄を発症する患者様は、入院前にはなんの問題も無く、なんでも自分で出来ていた方がほとんどです。
それだけにせん妄が発症した場合には、ご家族は非常に不安なものです。
小生のじいちゃんもICUに入院した際、せん妄になりました。その時はICU看護師だった小生でも「このままボケちゃうんじゃないかな?」と不安になしました。
ご家族には、正確でわかりやすい情報を提供し「せん妄は一過性のもの」であることを理解していただくこと。それを理解していただいた上で必要時にはご家族にも協力していただくことが重要だと思います。

長々と書いてしまいました。
まぁ、自分の復習のためのBlogだし、いいかな 笑

しかし、今日のせん妄の患者様が言ってた「カンガルー女」ってなんなんだろう?
グーグルで検索できるかな?

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