2012年5月15日火曜日

R to S 第70話 「航海」

大切な仲間がいる。

いつも支えてくれる仲間がいる。

心から信頼できる仲間がいる。

そんな仲間が許してくれた、人生最大のわがまま。






ここからはしばらく一人で行こう。

優しさに甘えて、歩けなくなる前に。

新たな海に帆を立て

新たな世界、新たな仲間と出会うために。







明日なんてわからなくていい。

だから楽しい。

未来なんて見えないほうがいい。

だからワクワクする。







足がすくむような恐怖も

胸が張り裂けそうな不安も

大切なスパイス。

苦みや塩味があるから

深みが出る。

甘いだけじゃない、

そんなスパイスを使って

最高の料理に仕上げて

腹いっぱい食ってやる。







大切な仲間、家族、天国の2人のじいちゃん

そして妻と息子に心から感謝。
 
 
 

2012年4月23日月曜日

R to S 第69話 「入学」

連続での投稿です!

このたび無事、急性期重症者支援課程に入学することができました!
ありがとうございます(笑)

これから約9ヵ月間、新しい30人の仲間たちと同じ目標に向かって勉強に励みたいと思います。
みんな個性的で、やる気があって、優しくて、本当にいい仲間だと思います!

9ヵ月間、学んで、飲んで、笑って、ときどき挫折しながら頑張りたいと思います。

宜しくお願いいたします。


とっても狭いアパートですがぜひ遊びに来てください!笑

R to S 第68話 「復興への軌跡②」

前回の投稿から1カ月以上が経過してしましました。
会津にもやっと遅い春がやってこようとしています。
桜は今週末が見頃になりそうです。

2011.3.12
ようやく震災の被害状況が分かってきました。
想像を絶する被害です。
当院のある会津地方は大きな被害はなかったものの、同じ福島県でも沿岸部の浜通り地方は地震による津波で甚大な被害を受けていました。

浜通り、中通りの被災した病院から、次々に患者さんがピストン搬送されてきます。
救急車、自家用車、マイクロバス、ヘリ…
非常に混乱した状況でした。

その中で忘れられない出来事がありました。
同じ看護師として本当に感銘を受けました。

その患者様はいわき市のとある病院で震災の前日、3月10日に冠動脈バイパス術を受けられました。
そして手術翌日…ICUのベッドの上で大きな揺れを経験されたそうです。
天井の照明がチカチカをついたり消えたりして、建物がうなり声をあげていたをおっしゃっていました。
その時、その病院の看護師たちは患者様の手を握り、覆いかぶさるようにして患者様を守ったそうです。
大きな揺れで恐怖を感じているとき、なかなか出来る行動ではありません。

しかし、小生が感銘を受けたのはそれだけではありません。
一番驚いたこと、それは看護記録です。

震災発生が14時46分
その看護記録は14時55分から転院となった3月11日の夕方まで
事細かに患者様の状態の変化、アセスメント、薬剤投与や酸素条件の変更などが書いてありました。

地震発生からわずか10分で…
状況が混乱している中、パニックを起こさずに看護を続けた誇り高い看護師たちの記録がそこにありました。

正直、小生は亡くなった人の多さに絶望し
自然災害を前にして、看護師の無力さに打ちひしがれていたような時でした。

しかし、その患者様を受け持ち、看護記録を読んだ瞬間
「自分の使命はこれ以上犠牲者を増やさないこと、救える命を救うこと」
「自分のやるべき仕事、やれる仕事を全力でやること」
だと自覚し、この1年間、自分なりに震災に立ち向かってきたつもりです。

この後に原発は水素爆発を起こし、福島県の広い範囲が被曝した事実が伝えられました。

小生は政治家でもなければ、原子力の専門家でもありません。
莫大な資産を持っているわけでもありませんし、震災で多くのものを失った方々に何かを与えてあげられるような人間でもありません。
現状を変えられる力はありません。


でも、小生は福島県で生まれ、福島県を愛している看護師です。
だから、この福島県のために全力で看護をすることが小生のできる小さな復興だと考えています。

書きたいことは沢山あります。しかし、拙い文才ではみなさんに多くのことを伝えられません。

この震災はたくさんの悲しみ、絶望、怒り、憎しみを生みました。
しかし、その一方で多くの方々に愛をもらい、喜びを共有し、絆を深めることもできました。

戻らない過去を嘆くより、変えられる未来を強く生きていく。
今、小生はそう思うのです。

支援してくださった日本全国の方々、全世界の方々に心から感謝いたします。
ありがとうございました。

そして、亡くなった方々、被災された方々にご冥福と、一日も早く安寧した毎日が訪れることを強く強くお祈りいたします。

今回の亡くなった方々の中には看護師の仲間もたくさんいたことでしょう。
目指していた看護、目指していた夢・・・たくさんあったでしょう。

生き残された私たちは、亡くなった看護師の方々の意思を引き継いで
よりいっそう質の高い看護をしていかなければと思います。





会津に春の強い風が吹きました。
暖かく、力強く私を吹き抜けたその風は、
たくさんの仲間たちが背中を押しているようでした。

2012年3月6日火曜日

R to S 第67話 「復興への軌跡①」

3月に入り会津の雪もだいぶ溶けてきました。
家の前の道路にもほとんど雪はありません。
当たり前のように来る春の訪れが待ち遠しくて仕方がない今日この頃。

去年の今頃も同じように
当たり前に来る春に心を躍らせていたのでしょう。

3.11

東日本を襲った未曾有の大震災。
それまでの当たり前が、当たり前ではなくなりました。

津波、放射能・・・
様々な問題が、今も継続しています。

少し長くなりますが、この一年間で小生が感じたことを少しずつ書いていきたいと思います。
願わくば、この小さな祈りが震災で亡くなられた方、心や体に大きな傷を負った方々の鎮魂と救いになりますように。


3.11
小生は夜勤入りでした。
昼食を済ませ、13時頃、2階の寝室で布団に入りました。
ウトウトし始めた頃
14時46分
最初はゆっくり、徐々に大きく家が揺れ始めました。
しかし、新築で耐震工事もしてあった小生宅は、物が倒れたり壊れたりすることもなく
揺れ自体もそれほどのものとは感じませんでした。
なので、しばらく布団の中にいました。

15時頃
揺れが収まり、しばらくして今の地震の情報を得ようと1階のリビングに行きテレビをつけました。
最初に目に飛び込んできたのが宮城県を襲う津波の映像でした。
身体の中から込み上げてくる言いようのない恐怖に襲われました。
保育園の息子の安全を確認したとき、
病院は大丈夫なのか、これから病院に患者が殺到するはず、そう思いました。
すぐに着替えを済ませ、妻に短いメール
「地震大丈夫?子供は大丈夫。病院に向かいます。また連絡します」
メールを打つ手が震えていたのを覚えています。
病院に向かう途中、近所の神社の鳥居が倒れているのをみました。
病院の駐車場に着いたとき同期から電話がきました。
「病院に向かいたいが家の前の道が壊れて行けない」と。
少しずつ、そしてやっと、被災したのだと感じ始めていました。

病院に着くと多くの外来患者さんとスタッフが総合受付のあるロビーに立ち尽くしてテレビの地震の情報を見ていました。
病院自体にはなんの被害もありませんでした。

ICUにつくとすでに私服の後輩達が4名ほど来ていました。
彼らはみんなで昼食をとっているときに地震が起き、そのままICUに来たということでした。

ICUに行き、全ての患者さん、全ての医療機器に問題ないことが確認でき安堵しました。

ICUの休憩室で夕食をとりそのまま夜勤へ。
夜勤中も何度となく余震が起きました。
その度にICU看護師は患者さんに声をかけ、医療機器を点検し、眠れない夜を過ごしました。
このときはまだ、福島原発が危険な状態だとは知る由もありませんでした。

2012年2月16日木曜日

R to S 第65話 「マトン」

本日は家で焼き肉。

焼肉といえばカルビにロースに豚トロ・・・
牛肉、豚肉が主流ですよね。


しかし、しかし!
我が家で焼き肉といえばこれなんです。



なんのお肉かわかります?
実はこれ、マトンなんです。

マトン?ってゆう方もいらっしゃいますよね(笑)

マトンとは・・・

つまりラムは子羊で、マトンは大人の羊の肉です。
小生の実家のほうではどの家庭でも焼肉といえばマトンというほど
とってもポピュラーなお肉なんです。

ラム肉が苦手な人や、牛肉や豚肉に慣れてる方はクセがあると感じるかもしれませんが
幼少のころからマトンに慣れ親しんでいる小生は牛肉より、豚肉より好きです。

しかも鉄分も含んでいるし低カロリー!!



キムチと一緒に食べるのも美味しいですよ。
ちなみにこのキムチ。
只見町の(株)只見特産という会社が作っているんですが…ばかウマです(笑)

みなさんも、ぜひぜひ試してみてください。

R to S 第64話 「雪祭り」

2月11日、12日の二日間、小生の地元の福島県只見町で開催されていた
「第40回 只見ふるさとの雪まつり」に行ってきました。



実は小生、雪まつりに行くのは5年ぶり。
久しぶりの参加に雪国男児のテンションも上がります。

実家に帰ると外はこんな感じ。



昨年よりは少ないものの家の前の積雪は150~200㎝
積もっているところでは300㎝くらいあるそうです。

実家で腹ごしらえをしいざ会場へ!!






ちらちらと雪が舞う中、息子は初めての大きなかまくらに大興奮です。



震災復興、そして昨年の夏に只見を襲った豪雨被害への復興を願うキャンドルにも
火が灯されていました。

こんなの見たことありますか?


都会の方には考えられないかもしれませんが、只見の雪まつりに行けばこんな珍しいものも食べられます。
意外とおいしいんですよ(笑)

夜になるとまた雰囲気ががらりと変わります。
ライトアップされて幻想的な雰囲気です。

会場を松明を持った厄男たちが練り歩きます。


 そして御祈祷。


夜には復興と発展を願った「祈願花火大会」が開催されました。






冬の夜を彩る花火 そこに幻想的に舞う雪
最高の雪まつりでした。
真っ白に染まった、何もない田舎は日常のいやなことを全部包んで忘れさせてくれます。

みなさんもぜひ来年の雪まつりに「来てけやれー!!」(只見弁で「来てください」)

2012年2月6日月曜日

R to S 第63話 「歩く人」

うまくやろうとして無難に歩くより、自分らしくやって転んだほうが、進んだ一歩は大きい。


100回失敗したら、101回目に成功すればいい。

1000回失敗したら、1001回目に成功すればいい。

10000回失敗したら、10001回目に成功すればいい。

成功するまで、失敗すればいい。

杖をついて、補助輪つけて、転ばないように歩く人より

派手に転んで、それでも立ち上がる人のほうが

よっぽどカッコイイ。